最新のゲームを遊ぶと高精度な3Dグラフィックの表現が溢れています。
そんな光景が当たり前のようになってきていますが、ゲーム業界ではより美しい3Dグラフィックを追い求めるのとは別の軸の進化も同時に進んでいます。
その1つが今回ご紹介の「ピクセルリマスター」という表現方法になります。
植松伸夫さんの手がけるファイナルファンタジーの名曲たちも新しくなった映像と一緒に蘇っています。
ピクセルリマスターとは
ファミコンやスーパーファミコンなどを思い出してもらえるとわかりやすいですが、2Dドットのピクセル(ブロック)の集合体でゲームのグラフィックが描かれています。
「ドット絵」とも呼ばれています。
『ピクセルリマスター』とはそのピクセル表現を最新の高解像度のディスプレイでも映えるように丁寧にリニューアルしているということを意味しています。
「リマスター」という言葉は「再処理、再調整」という意味で考えていただけるとわかりやすいです。
ドット絵のゲームは実は現在でも人気があり、特にインディーズゲームの分野では名作が多数誕生しています。
新しいドット絵の表現も生まれていて幻想的で美しい世界を描いた作品もたくさんあります。
ピクセルアートの美学 第1回 ピクセルアートとは何か
https://mediag.bunka.go.jp/article/article-15549/
ピクセルリマスターで蘇るファイナルファンタジー
「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」とはさきほど説明した「ピクセルリマスター」工程を通してリニューアルしたファイナルファンタジーになります。
現在はファイナルファンタジー の1-6までのピクセルリマスター版がリリースされています。
オリジナルのゲームの温もりある美しい世界感を崩さずに現在のプレイ環境に合わせた調整が丁寧に行われています。
オリジナルバージョンを経験したユーザーにとっても違和感なくプレイできるところが好評で、当時の感動を思い出しながら遊べるのは本当にうれしい体験だと思います。
ピクセルゲームを支えてきたスクウェア・エニックスのアートディクレター渋谷員子さん
ピクセルリマスター版の発売に合わせて、スクウェア・エニックスのアートディレクターの渋谷員子さんの特別番組が公開されています。
これまでのファイナルファンタジーの歴史を支えてきたドット絵のプロフェショナルのお仕事にファンとしては感涙の内容です。
これまで遊んできたゲームがこんな緻密な計算をされた上で成り立っていたのかと思うと尊くさえ思ってしまいます。
ゲームの進化を支えたプロフェッショナルのトークは必見です。
ピクセルリマスターとは違う『HD-2D』とは
ドット絵のリマスター、リメイクは各所で発表されています。
スクウェア・エニックスからは「ピクセルリマスター」以外に「HD-2D」という新しいフォーマットも提唱されています。
HD-2Dとは
ドット絵のキャラクターに3D CGの効果を合わせ、独自の立体感や空気感を演出する手法。
ドット絵を忠実に再現する「ピクセルリマスター」とはまた違った可能性を追求する手法で、
同じくスクウェア・エニックスのOCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)という作品などで使われています。
多くの人が遊んだ名作「ドラクエ Ⅲ」もこの「HD-2D」でリメイクすると発表され、注目を集めています。
ピクセルゲーム(ドット絵)はこれからも進化するカルチャー
3Dゲームが当たり前になって、年々高解像度化するのが当然のようになってきていますが、こちらでご紹介したように「ドット絵」のカルチャーは失われずに独自の進化を遂げています。
もともとはハードの制限からはじまった表現手法だったとは思いますが、これまでのゲームの歴史の中で1つの完成形された手法として確立されているように感じます。
そんな視点でもぜひ「ピクセルゲーム」を遊んでいただけたらと思います。
さまざまな新しい発見があるかと思います!
ピクセルゲームの到達点、クロノ・トリガーの音楽についてはこちらの記事でまとめてあります。
https://media-bu.com/game-music-chrono/
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