※画像はAmazon.co.jpより引用
日本の意外なカルチャーが海外で注目を集めることがあります。
今回はその中の1つ日本の「昭和歌謡曲 = レアグルーヴ」についてご紹介します。
日本では70年代後半-80年代に発表された洋楽志向の楽曲を「シティ・ポップ」と呼ばれることが多いですが、海外からは「レア・グルーヴ」として見られていたりします。
そんな「レア・グルーヴ」の世界についてもわかりやすく解説します。
レア・グルーヴとは
「レア・グルーヴ」の意味はさまざまな定義が存在しますが、「黒人音楽がベースとなったダンサブルな生音の楽曲でソウル、ファンク、ジャズなどが基本となったもの」と解釈されることが多いです。
レア・グルーヴ
Wiki
James Brownの「Give It Up Or Turn It a Loose」はその代表曲と言われています。
そんな中でレア・グルーヴの影響を受けた数々の昭和歌謡曲があり、実は海外を中心に再評価されています。
レコードが再注目され人気が高まったのもその理由の1つと言われていますが、YouTubeなどの音楽を発信する動画メディアが登場したこともその理由の1つと言われています。
再注目の火付け役は竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」
実はこの日本のレア・グルーヴ的な昭和歌謡曲が再注目されるきっかけになったのは竹内まりやさんの「プラスチック・ラブ」が要因だと言われています。
YouTubeに上がった「プラスチック・ラブ」は驚異の5000万近く再生されています。
「プラスチック・ラブ」から日本のレア・グルーヴ的な昭和歌謡曲の注目が話題を集めるようになりました。
外国人による「プラスチック・ラブ」の解説動画も90万再生以上回っています。
まさにYouTubeによるリバイバルヒットと言えると思います。
竹内まりやさんの「プラスチック・ラブ」の再人気にあやかってさまざまな動きやカバーが出ています。
海外の人たちに自分たちの音楽活動を知ってもらおうとするアーティストたちの思惑も感じます。
実は竹内まりやさん自身も改めて「プラスチック・ラブ」のPVを制作しています。
こちらもオリジナルとあって630万回以上再生されています。
新進気鋭のアーティスト「Friday Night Plans(フライデーナイトプランズ)」によるカバーも1100万回再生。
アレンジが新しいテイストでこちらもまた新鮮です。
「Friday Night Plans」は「HONDA」という楽曲でホンダの車のCMでも楽曲が使われていました。
こちらも「プラスチック・ラブ」にも通じるレア・グルーヴの要素も感じます。
紅白2021でも話題の今をときめく人気アーティスト「藤井風(ふじいかぜ)さん」のカバー動画も存在します。
注目の若手シンガーeil(エイル)さんによるバージョンも。
実はこのPVのようにあ80年代的な日本のアニメ調の画像と組み合わせた動画も多数上がっていて人気を博しています。
こちらのように80sアニメ調のループを活用した動画も人気を博しています。
このバージョンは実は韓国のアーティスト「Night Tempo」によるリミックスです。
「プラスチック・ラブ」の再燃の理由は実はこのNight Tempoによるリミックスが1つのきっかけであったとも言われています。
Night Tempoについては、このあとのセクションでご紹介したいと思います。
カバー曲を中心とした注目のニューアーティスト「Tokimeki records(トキメキレコーズ)」も海外を意識し、デビューシングルに「プラスチック・ラブ」を選んでいます。
韓国アーティスト「Night Tempo」による日本歌謡曲の新しい解釈
そんな再注目されている昭和歌謡曲に独自の解釈を加えて発信しているアーティストがいます。
それが実は韓国のアーティストなんです。
韓国アーティスト「Night Tempo(ナイト・テンポ)」とは
1980年代の日本の歌謡曲、ディスコなどを再構築した音楽をYouTubeなどの動画サイトで発信。
「プラスチック・ラブ」のリエディットバージョン(再構築したもの)は700万以上再生を記録。
Winkや杏里などの80年代のアーティストの楽曲の再構築バージョンは公式にもリリースされています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Night_Tempo
韓国から日本の音楽を日本人以上に解釈して、実は日本楽曲の書籍まで出版しています。
Night Tempoが書籍「Japanese City Pop 100」で示す2022年シティポップ最前線
https://natalie.mu/music/news/460409
そんな筋金入りの昭和歌謡曲マニアのNight Tempoによる再構築されたバージョンをいくつかご紹介します。
名曲 Flyday Chinatownもかっこよく再構築。
(FrydayでなくてFlydayで正式です。)
80年代テイストのアニメ調のループとの相性も抜群です。
こういうバージョンがクラブのフロアでかかるとびっくりしそうです。
名曲「みずいろの雨」もグルーヴィーに。
あの人気アニメ「YAWARA!」グラフィックとのマッチングも新鮮です。
杏里さんの楽曲は公式にリリースもされています。
「うる星やつら」とのグラフィックとの組み合わせにも抜群のセンスを感じます。
エヴァの葛城ミサトと八神純子さん。
こういう組み合わせが生まれるのがネットカルチャーの面白さと感じます。
中山美穂さんの楽曲もめちゃくちゃかっこよくなってます。
初音ミクもしっかりレア・グルーヴ調に。
オリジナルアルバムもリリース
日本のレーベルからオリジナル楽曲でのアルバムもリリース。
さまざまな人気アーティストとオリジナル楽曲もリリースしています。
人気女性アーティストのBONNIE PINK(ボニーピンク)さんとのオリジナル楽曲は新しいテイストで心地よいです。
こちらもオリジナル楽曲です。
まさか韓国アーティストのオリジナル楽曲とは思わない仕上がりです。
ご本人はDaft Punkに影響を受けているということでMVに出ているヘルメットかぶった方はNight Tempoさん!?
Night Tempoが影響を受けたとされるDaft PunkのOne More Timeも。
こちらも日本のアニメとダンスミュージックの組み合わせですね。
「銀河鉄道999」の松本 零士さんとのコラボです。
音源に興味を持っていただけた方はぜひ関連情報もチェックしてみてください。
新しい音楽の楽しみ方が発見できると思います。
シティ・ポップの中心人物、Night Tempoが目指す“ネオ昭和”の世界とメジャーオリジナルアルバム
https://www.udiscovermusic.jp/columns/who-is-night-tempo
世界的シティ・ポップ・ブームの立役者、韓国出身のDJ/プロデューサー、Night Tempo(ナイト・テンポ)。自身初となるメジャー・オリジナル・アルバム『Ladies In The City』
https://www.universal-music.co.jp/night-tempo/news/2021-10-06-2/
ネットによるカルチャーの再注目と再構成
インターネットの普及によってさまざまなコンテンツに手軽に触れられるようになり、それによって自由なカルチャーが生まれたりと新しい化学反応があちらこちらで起こっています。
日本の昭和歌謡が再注目されたり、「プラスチック・ラブ」が人気を呼ぶなどはその中の1つの現象だと感じます。
そんな新しい潮流やカルチャーがこれからも生まれてくることが楽しみですね!
シティポップについてはこちらでもご紹介しています。
https://media-bu.com/city-pop/