ライブサービスとは継続的に進化させていくタイトルやサービスのことです。
ゲーム企業の巨額の買収劇が相次ぎ、バズワード「メタバース」と合間って大きな話題を呼びました。
そんな買収劇の裏側には現在のゲームビジネスの新しい傾向が関係していると言われています。
今回はその状況を紐解くキーワード「ライブサービス」についてわかりやすく解説したいと思います。
大ヒットを続ける「パルワールド」「ヘルダイバー2」もライブサービスです。
おすすめのライブサービスについてもご紹介します。
Microsoftによる巨額のゲーム企業買収劇
2022年に入って巨額なゲーム企業買収ニュースが飛び交い話題になりました。
その中の1つがMicrosoftによる米ゲーム企業「アクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)」の買収で、世界中に衝撃が走りました。
巨額な買収額は687億ドル(約7兆8750億円)で、Microsoftにとってもそれまで最大の買収規模だった262億円のLinkedIn(リンクドイン)を大きく超える規模になります。
Microsoft、ゲーム大手Activision Blizzardを687億ドルで買収
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2201/19/news068.html
ゲーム業界で注目のメタスコアについてはこちら!
メタスコアとは | ゲームヒットに大きな影響を与える点数※画像はより引用 メタスコアとは、レビュー収集サイト メタクリティック(Metacritic)が算出するレビュー得点のことです。 世界中で注目されるレビュー得点であるメタスコアによって作品のヒットが決まるような時代になってきました。 最近で...メタスコアランキング 【2024年最新版】面白いゲームを探す基準となりつつあるメタスコア。 メタスコアはレビュー収集サイト メタクリティック(Metacritic)が算出するレビュー得点のことです。 そんなメタスコア上位のおすすめゲームを最新のものからたっぷりとご紹介します。 「s...
アクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)とは
アメリカ カリフォルニアのゲームソフト開発会社。
代表作は「コール オブ デューティーシリーズ」、「オーバーウォッチ」シリーズなど。
コール オブ デューティーシリーズとは
戦争をテーマとしたFPS(1人称シューティングゲーム)。
2003年に一作目が発売され、大ヒットしたことから多数の続編が発売される人気シリーズとなりました。
オンラインで対戦が人気で、シリーズ全体として月間アクティブプレイヤーの人数が1億人を超えています。
これまでの累計売上高が270億ドル(2.8兆円)を超えるなど驚異的な人気を誇ります。
CoD(Call of Duty)フランチャイズの過去12カ月の売上が3100億円を超えたとアクティビジョンが発表
https://jp.ign.com/call-of-duty-2020/48768/news/cod123100
コール オブ デューティ・シリーズ、累計の売上高が2.8兆円を超えたことが明らかに
https://games.nme-jp.com/news/732/
オーバーウォッチシリーズとは
2016年に発売されたチーム対戦型のアクションシューティングゲーム。
未来の地球を舞台にさまざまな特殊能力を持つヒーローとなって、6人のチームで対戦。
累計プレイヤー人数は6000万人以上。
国際的なプロリーグもあり、eスポーツの競技としても知られています。
『オーバーウォッチ』が発売5周年。累計プレイヤー数が6000万人を突破したチームアクションシューター。eスポーツの代表的なタイトルとしても有名
https://www.famitsu.com/news/202105/24221400.html
5分でわかる『オーバーウォッチ』個性豊かな“ヒーロー”による6vs6のタクティカルチームバトル (Esports World)
https://esports-world.jp/column/14319
アクティビジョン・ブリザードはFPS(1人称シューティングゲーム)で世界的な人気タイトルを多数持っていることがわかります。
SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)によるBungieの買収
SIEも1月にアメリカのゲームソフト開発会社であるBungie(バンジー)を買収すると発表し話題を呼びました。
Bugie(バンジー)とは
Bungieは1991年に設立されたアメリカのゲームソフト開発会社。
2000年にXboxの発売を控えていたMicrosoftに買収され、Halo(ヘイロー)という人気タイトルを開発します。
2007年にはMicrosoftから再独立するものの、その際に人気タイトルであるHaloの全権利はMicrosoftへ移譲されています。
その後アクティビジョンとパブリシング契約を結び新シリーズDestinyを発売します。
Halo(ヘイロー)シリーズとは
2001年にXbox向けに発売された1作目から続くFPS(1人称シューティングゲーム)。
実写ドラマ、アニメ化も行われています。
アニメは日本が誇る映画監督、アニメーション演出家の押井守さんらがクリエイティブディレクターを担当しています。
これまでの総売上本数は8100万本とXboxが誇る人気タイトルです。
※HaloはMicrosoftが全権利を持っているため、今回のSIEの買収とは無関係です。
【おすすめFPS・HALO】世界で8100万本を売り上げたXboxの金字塔、傑作SF・FPS『HALO』(ヘイロー)シリーズのご紹介
https://kopenguin.com/post-18562/
Destiny(デスティニー)とは
アクティビジョンとパブリシング契約を結び、Bungieが開発、アクティビジョンが販売という体制でリリースした新シリーズのFPS。
Destinyはゲーム史上最大の制作費(開発費+宣伝費)500億円をかけたことでも知れています。
現在はDestiny2まで発売されています。
Destiny2は当初は有料タイトルでしたが、2019年に基本プレイ無料、アイテム課金のタイトルとなりました。
シリーズのプレイ人口は1億6700万人以上と大きな人気を誇るシリーズです。
発売初日で制作費500億を回収w PS4 Destiny(デスティニー) 緩いマルチプレイが楽しい!特徴・魅力まとめ
https://ks-product.com/ps4-destiny-feature/
「Destiny」シリーズが6周年。これまで1億6700万人以上のガーディアンが生まれ,プレイ時間は86億時間以上にのぼる
https://www.4gamer.net/games/205/G020516/20200910044/
ライブサービスとは
買収で話題になったアクティビジョン・ブリザードやBungieが手がける人気タイトルは「ライブサービス」と呼ばれているところに共通点があります。
ライブサービスとは、継続的に進化させていくタイトルやサービスのこと。
プレイヤーコミュニティに対して長期に渡って新しいコンテンツを提供していくのが特徴です。
コンテンツによる魅力を提供し続け、ユーザーの離脱を防ぐことでゲームのライフサイクルを長期的なものにすることができます。
基本プレイ無料でアイテムを課金するなどのビジネス形態で収益を上げていきます。
SIEによるBungieの買収はこのライブサービスの知見を自社タイトルに取り込むことを目的とされていると言われています。
Fortniteもライブサービス
基本プレイ無料の人気対戦シューティングゲームのFortnite(フォートナイト)もライブゲームの代表例として挙げられます。
Fortniteでは多数のコラボレーションや新しいストーリーを追加したシーズンなど積極的なコンテンツ展開を図っています。
人気アニメNARUTOとのコラボレーションも
ライブサービスを展開する他タイトルの例
Apex Legends(エーペックス レジェンズ)
エレクトリック・アーツ(EA)から発売されている基本プレイ無料のバトルロワイヤルゲーム形式のFPS。
Fortniteと人気を二分するほどのタイトルです。
Final Fantasy 14
スクウェア・エニックスの人気シリーズ「ファイナルファンタジー」のナンバリングタイトルのMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)。
League Of Legends(リーグオブレジェンズ)
基本プレイ無料のチームベースの戦略ゲームです。
eSportsゲームタイトルとしても知られています。
ライブサービスは「ゲームのサービス化」 =「終わらないゲーム」
下記の記事では「Game as a Service(GAAS)」として表現されているのが印象的で、現在の人気ゲームのビジネスが売り切りでなく、「サービス化」されていることを物語っています。
ひと昔前はゲームは「クリアすること」が当たり前でした。
しかし今では「終わらないゲーム=遊び続けられるゲーム」が当たり前になっているように感じます。
ライブサービスはこれからの時代のゲームビジネスの新しい形として注目されています。
また注目を集める「メタバース」分野でもゲームが中心的な役割が果たすとも言われています。
ライブサービスは「メタバース」分野でも注目される押さえるべき概念であると言えると思います。
ヘルダイバー2
2024年の大ヒット作3人称シューティングゲームとして挙げられる「ヘルダイバー2」もライブサービスです。
一時は人気すぎてサーバーへ接続ができなるほどでしたが、現在は環境を増強して解決しています。
さまざまなコンテンツやゲーム要素を続々と追加しながら驚異的なプレイ人口を維持しています。
エイリアンとの壮絶な戦いが繰り広げられる作品です。
パルワールド
日本の小さなゲームスタジオ発のタイトルながら発売から短い期間で2000万本以上売れたヒット作です。
「パル」と言われるモンスターの収集と、集めたパルを活用して対戦を行うなどさまざまなゲームの良いところ取りの作品です。
拠点をクリエーションする要素もあり、やり込み度も多い作品です。
アップデートが積極的に行われており、パルワールドがどこまで成長していくのか注目が集まります。
ゲーム業界の注目の「メタスコア」についてはこちらでご紹介しています。